灸治療

お灸は約3000年前に中国で発明され、その後、遣隋使や遣唐使によって日本にもたらされたとされる非常に歴史のある民間療法です。日本の古典文学にもたびたび登場するなど、その昔から庶民が気軽に利用した治療法でした。お灸の原料となっているのは「もぐさ」。もぐさとは、ヨモギの葉の裏にある白い綿毛を精製したものです。ヨモギはヨーロッパでは”ハーブの女王”といわれるほど、さまざまな効果のある薬草で、食物繊維、クロロフィル(葉緑素)、ミネラルが豊富で、浄血、増血作用のほか、止血作用もある万能薬です。
この「もぐさ」に火をつけて、体を温め、ツボを刺激するのがお灸です。葉の裏面に密生している白い毛(毛茸)を集めた綿のようなものが“もぐさ”です。

 

当院では、生の蓬に対して0.5~0.6%しか取れない最高級品を日本から輸入し使用しています。

灸は温熱感覚を利用した方法で患部の血行を良くすることで、血液内に様々な免疫物質を作り、(白血球の増加など)増血作用を促して、機能を改善し抵抗力を向上し未病治を目指します。


※未病治とは読んで字の如く「未だ病成らざるを治す」という意味で、病気に至らないうちに、まだごく初期の段階でそのリスクを摘み取ってしまおうと云うもので、要するに予防医学ということです。


 

鍼と灸の治療効果の差


一般的に鍼治療は効果がすぐに現れるのに対して、灸は特性上比較的ゆっくりと慢性的な疾患や症状を改善させ、それが継続する傾向があると言われています。しかし、私の経験上、鍼も慢性的な症状に対して有効な場合も多くありますし、灸も即効的に効果が現れることもあります。
 

お灸の効能

 

対菌作用

・白血球

・喰菌力
・マーカー(オプソニン)等の

 増加により数倍の抗菌力になる

 

【扁桃腺炎・風邪・打撲骨折後後遺症・高血圧・糖尿病・火傷・できもの・結核・下痢等・冷えに対して】

 

精神ショック作用

刺激に対して感受性が薄れ、自律神経の調整幅が大きくなる。

 

【神経性胃潰瘍・心臓神経症・不安症・ノイローゼ・疳の虫・自律神経失調】

 

 

その他特筆すべき効能

➂抗アレルギー作用 ④血管拡張作用 ⑤組織細胞の機能高進作用 ⑥強心作用 ⑦免疫作用 ⑧止血作用 ⑨抗酸化作用 ⑩誘導作用 ⑪鎮痛作用 ⑫興奮作用 ⑬消炎作用 ⑭増血作用 ⑮調節作用

新生血管作用

お灸の治療効果の一つに新生血管があります。これは火傷を治療するために体が用意する血管で、放置すると2〜3日で消失してしまう毛細血管です。しかし、3ヶ月以上火傷を続けると自然に血管は肥大し、しっかりした血管になり、充分な血液運搬手段になります。

 
深谷灸法


深谷灸法とは、昭和の名灸師といわれた故・深谷伊三郎先生が40年有余年の

臨床で中で、『黄帝明堂灸経灸』や『名家灸選』などを研究して構築した灸法です。

その特徴として透熱灸・遠隔取穴・少穴多壮・特効穴、を活用するとともに、灸熱

を緩和するために灸熱緩和器として竹筒を使用するのが特徴です。

また、深谷灸法の象徴と言うべきものに「灸法の基本10項」があります。

 用語説明
   透熱灸‥‥皮膚に直接するお灸で、ごく小さい火傷が残ります。
   遠隔取穴‥悪いところにお灸をするのではなくて、離れたところにお灸をします。
        悪いところにお灸をしたから効くというものではありません。
   少穴多壮‥使うツボが少ないかわりに、お灸の数を多します。
   特効穴‥‥古来からお灸をすると効くと言われているツボで、家伝や秘伝のものも多くあります。
   竹筒‥‥‥お灸の熱さを緩和する目的と、治療に有効なツボをさがすときに竹の筒を使います。
   基本10項‥深谷先生が長年の臨床の中からみいだされたお灸を効かすためのポイントです。
           お灸に限らず、鍼灸師が治療をする上での心得と言えます。

灸法の基本10項目
   1、経穴は効くものではなく、効かすものである。
   2、成書の経穴部位は方角を示すのみ。
   3、経穴は移動する。
   4、名穴を駆使して効果を挙げよ。
   5、少穴で効果を挙げるべきである。
   6、反応の無い穴は効き目が少ない。(効き目の出ないものは出すようにする。)
   7、そこが悪いからと、そこへすえても効果は無い。
   8、名穴であっても、ただそれだけに効くのではない。
   9、灸炷の大小壮数は患者の体質に合わせよ。(熱くないところは熱くなるまですえる。)
   10、経穴は手際よく取穴せよ。

当院での施灸は、全身のツボに心地よい熱さのお灸を少数ずつ据え、上記の多々効能を引き起こし体質の改善を目的に行います。ひねったもぐさの大きさは、 お米粒の半分程度といわれる“半米粒大(はんべいりゅうだい)です。一瞬ちくりとする程度で、慣れられるととても気持ちが良いものです。

慢性疾患の場合、特に内科系の病気をお持ちの方は当院での施灸の他、自宅でお灸をすえて頂き、根本的に体質改善を図ることによって、再発しない身体作りを目指します。