​シンガー、オペラ歌手で声をスムーズに出すことが出来ません。よくなりますか?

しわがれ声、がらがら声、弱々しい声 などの普段の音声と異なる音声になる状態を嗄声と言いますが、風邪のより声帯に炎症が起きて声がれが起こっている場合のほか、歌手や学校の先生・保母さんなど長時間声を使う職業の方に多い声帯ポリープ・声帯結節(けっせつ)のほか、喫煙が関係する喉頭がん、甲状腺がんによる神経麻痺(まひ)、加齢による声帯萎縮(いしゅく)――などが主な原因です。
風邪からくる声帯の炎症の場合には、声を出さずに安静にしておけば、風邪が治るとともに数日で回復しますが、声帯ポリープや声帯結節、喉頭がんなどが原因の場合は長期に渡って声のかすれが続きます。

歌手、カラオケでよく歌う方、学校の先生、保母さんなど声をよく使う職業に多い病気です。
声は声帯を閉じて振るわせることで発声しているのですが、声を使う頻度が高いと、声帯の一部分にだけ負担がかかり、声帯にポリープができます。

 

 

治療は下記のすべての疾患に共通する、外咽頭筋と内咽頭筋の改善をはかります。 

外咽頭筋は喉を覆うように付いている筋肉で、喉の表面で触る事ができます

内咽頭筋は甲状軟骨(喉仏)の奥にある為、触れる事ができません。 
どちらも迷走神経の支配下にあります。 

臨床上、迷走神経の走行に沿って胸鎖乳突筋の緊張をとると声が回復する人が多いです。 

原因が免疫の慢性甲状腺炎は、頸部の過緊張と扁桃腺の炎症を改善させます。

 

 

原因

急性喉頭炎
 

のどを使い過ぎたり、風邪をひいたりして起きる一過性の声帯の炎症です

声帯ポリープ

 

主症状は嗄声です。
声の質は、空気がもれる感じで、やや低音になります。
また、発声した声が途中で止まってしまうこともあります。
ポリープがかなり大きくなると、非常に稀ですが呼吸困難を起こすことさえあります。

声帯ポリープができると声が出にくくなる理由は、ポリープが邪魔をして声門がうまく閉じなかったり、声帯がポリープのせいでうまく振動しなかったりするからです。なぜ、声をよく使うとポリープができるのかというと、まず、声の酷使や炎症により声帯の粘膜に充血が起こります。
充血が起こった状態で、さらに大声を張り上げたりして、声帯に激しい機械的刺激が加わると粘膜の下に血腫ができて膨れてきます。

 

このような状態で十分な安静が得られれば血腫は自然に吸収されるのですが、それにかまわずに大きな声を出し続けるとポリープになってしまいます。
もともとの体質にもよりますが、喉に力を入れて発声するなど発声法が悪い場合や、声を酷使する方、喫煙される方に、声帯ポリープができやすいという傾向があります。

声帯結節

声帯ポリープと同様に、声をよく使う方に多い病気で、特にお子さんの声がれのほとんどはこの声帯結節です。声帯の酷使により、両側の声帯の前3分の1あたりに結節というものができるのがこの病気です。
結節は、手のひらにできるマメのようなものとイメージしていただければよいと思います。

 

橋本病(慢性甲状腺(こうじょうせん)炎・甲状腺機能低下症)

 

この病気は免疫(めんえき)の異常によって、甲状腺に慢性の炎症が起こる病気で、初期の症状は甲状腺の腫れだけですが、炎症が進み、甲状腺の働きが落ちると甲状腺機能低下症が起こると言われます。

 

反回神経麻痺

喉にある声帯の開け閉めをはじめとする喉の周辺をコントロールしている神経を反回神経(はんかいしんけい)と言いますが、その神経になんらかのダメージがあると、声帯はうまく開閉しなくなってしまい、声がかすれます。

 

声帯は、通常、発声時には左右の声帯が中央方向に近寄って気道が閉じられて、呼気により声帯が振動して声が出ます。また、食べ物を飲み込む嚥下(えんげ)時には、食べ物が気管に入り込まないように左右の声帯は強く閉じられて気道を完全に閉鎖します。
ところが、反回神経麻痺になると、空気が抜けてスカスカした感じの声になったり、嚥下の際には、声帯が閉じないので、食べ物が気管に入る誤嚥(ごえん)やむせるといった症状が起こります。
両側の反回神経が障害されて左右の声帯が閉じかけたまま麻痺して動かなくなると、気道が狭くなるため呼吸困難や喘鳴(ぜんめい:ゼーゼーという呼吸音)が起こります。

 

声帯を動かす反回神経は、脳幹(のうかん)から枝分かれして頭蓋内から下降してきています。
そして、一度そのまま声帯の横を素通りして胸郭(きょうかく)内に入り、左側では大動脈弓、右側では鎖骨(さこつ)下動脈の部分で折れ返って食道の両脇を上行し、甲状腺(こうじょうせん)の裏側を通ってから、声帯の筋肉を支配する――という複雑な走行をしています。
そこで、その経路のどこで障害が起こっても反回神経麻痺が発生します。
例えば、脳幹付近の頸静脈孔腫瘍(けいじょうみゃくこうしゅよう)、頸部の甲状腺腫瘍、胸部の肺がん、食道がん、乳がんなどによる縦隔リンパ節転移、弓部大動脈瘤(きゅうぶだいどうみゃくりゅう)――などです。

 

いずれの場合も、重大な病気ですので、反回神経麻痺と診断された場合には、原因を病院で徹底的に調べる必要があります。

咽頭癌

喉頭がんは、耳鼻咽喉科領域の中では最も発生率の高いがんです。
女性よりも男性に圧倒的に多く、原因の1つとして、たばこやお酒との関連性が高いと考えられています。
特に、たばことの相関性は高く、ヘビースモーカーの方は喉頭がんは要注意の病気の1つと言えます。