不妊治療について

2013年WHO(世界保健機構)の不妊症原因調査では、男性のみ24% 女性のみ41% 男女とも24% 原因不明11%と報告されています。つまり男性不妊48% 女性不妊65%となっています。24%が夫婦ともに不妊原因があるため、夫婦で一緒に治療する必要があります。男性不妊の方へ

東洋医学における不妊治療に関する記述は、500年程前に書かれた書物(諸病源候論、黄帝素問女胎など400篇以上の書物)によってすでに婦人科領域における疾病概念として分類されていました。「不妊」は、東洋医学では「不孕(ふよう)」という言葉で数千年も昔から認識され鍼や灸、漢方を用いて不妊へアプローチをしてきた長い歴史があります。卵子の質の低下など西洋医学ではアプローチが考えにくい原因でも、東洋医学では様々な方法で効果を上げることを私たちは日々の臨床で目のあたりにしています。

実は人の身体は東洋医学で観察すると同じ症状、病名を持った方でも、それぞれに違った身体の所見を表しています。不妊症の方も同様に肩こり、腰痛、生理痛、冷え、便秘などなにかしら症状を抱えてらっしゃる方が少なくなく、これらの症状が身体の本来もっている自然治癒力=妊娠する力を阻害していると考えます。現在の西洋医学ではこれらの症状を根本的に改善させることは難しく、また不定愁訴と不妊が直接関連していると考えない為、一般に病院でのアプローチは高度生殖医療のみで行われているの現状です。

西洋医学での理想的な子宮環境とは、「妊娠を阻害する筋腫がなく、排卵時に子宮内膜が10mm以上」とされています。 しかし、子宮筋腫や内膜症があっても妊娠し、出産に至る方も大勢いらっしゃるのですから、それが妊娠を阻んでいる唯一の問題とは考えにくいともいえます。 「重度の場合は摘出しなければならないこともあります 」 

また、良好な胚を移植し、黄体ホルモンも安定し、子宮内膜が十分に厚くても着床せず、それでいて着床不全の検査でも異常が見つからないケースも多くみられます。そのような方々にどのように治療していくか説明していきす。

東洋医学の診断名を東洋医学では証(しょう)と言います。

​婦人科疾患で見られる証を上げてみます。

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     ​不妊 「主訴」

   

                    自律神経、ホルモンの乱れ

                             血液の循環障害

​       筋肉や靭帯の硬化 緊張 弛緩 身体の歪み

 

   

    腎虚証

​    腰が重い 耳鳴り 脈が弱い

 

 

鍼灸 指圧 オステオパシー医学 食事改善 適度な運動 ストレス軽減

 

 

 

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 腎虚症で呈していた自覚症状と他覚的所見の改善

 自然治癒力阻害因子の取り除く事に成功 

​結果 各臓器 卵、胚の質の改善と着床側の子宮内膜の環境改

 

  

   不妊体質の改善      

 

 

 

 

腎虚証(じんきょしょう)

腰が重い 長く立ったり座ったりしていると腰が痛む 足に力が入りにくい 下腹部に力がない 冷え(特に足) 頻尿(特に夜間) 耳鳴り 物忘れ 性欲減退 疲れやすい 下の色が淡い 脈が弱い などの症状を持つ方を腎虚症と言います。

肝実証(かんじつしょう)

腰が急に痛くなる 動かすと痛い 下腹部(特に左側が張って軽い圧迫で酷く痛む 目の奥の痛み 緊張性頭痛 寝つきが悪い イライラする 舌が赤い 脈が弦の様に張っている などの症状を持つ方を肝実証と言います。

肺虚証(はいきょしょう)

腰は痛むが動かすと楽になる 腹部の上部に力がなくつやもない 冷え 排尿困難(少ない) やる気が起きない 風邪をよく引く 脈は浮いているか非常に弱い などの症状を持つ方を肺虚証と言います。

 

これに瘀血や血虚が組み合わさることが多い

 

瘀血(おけつ)

下半身の冷え もしくは外は冷えているが内には熱が多い 臍下お中心として硬い抵抗と圧痛

舌が紫色

血虚(けっきょ)

全身の冷え(内外共に) 月経がくると更に冷える 食欲はあまりない 

現在、西洋医学による不妊治療の成功率は通常20%〜28%といわれています。自然妊娠を望まれる方はもちろん、高度生殖医療(不妊専門外来)を受診中の方も、鍼灸治療を併用する形で通院されています。
東洋医学で健康な心身という土台を作り、その上に西洋医学の最先端医療をとり入れることによって副作用の少ない、体にやさしくより効果的な治療が可能になります。例えば体温が二相性にならず、黄体機能不全のホルモン治療をしても一向に改善されない方でも、鍼灸治療で自律神経のバランスを整え、かつ自然治癒能力を高めることによりきれいな二相性のラインを示すことも期待できます。

 

以下文献、臨床経験による不妊に関する直接的改善が見られるもの

  • 卵巣機能向上による 質の良い卵の確保

  • 生理周期およびホルモンの調節

  • 血行促進による子宮内膜の厚さを確保

  • 体温の二重線安定

  • 早期子宮収収縮

  • 流産の確立を下げる

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子宮内膜形状の改善と妊娠率

参考文献 

 

鍼灸がホルモンにどのような影響を与えたか (英語)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20981331


 

伝統医医学の治療を受けることについて、特に妊娠しやすい方向に改善をはじめているという目安は、患者さんが持っている自覚症状の改善と、治療者側がみる他覚的所見の改善(脈や舌の状態、皮膚の艶、お腹の圧痛の変化、各関節可動域の改善、)に基本的に依存します。現在の医療事情では、西洋医学のホルモン値のように、「研究を除けば」臨床中常に鍼灸や指圧治療が誰が見ても客観的にわかる様に数値化をすることはできず、患者様側、治療者側の主観が目安になるので、西洋の医師の立場からすると信頼に足らないのは理解できます。

しかし逆に、現在の自然科学では理解、証明できないことは世の中にはたくさんありますが、実際に五感で感じ、そこにたしかに存在していることは私たちには分かります。基礎生理学、解剖学、東洋医学をもとに五感をフルに働かせて鑑別診断し、自身の手とシンプルな道具を使い、身体阻害因子を取り除く、または足したり、流したりしていく。患者様は痛みや不快感がなくなり楽になったと感じ、脈が落ち着きやお腹の圧痛も消失する。ツボの反応が消える。制限されていた関節の硬さもとれ可動域が広くなる。結果、西洋額的数値に値する部分に変化が起き、科学の視点からでも客観的に目に見えることも多々あります。

自然妊娠を望まれる方、高度生殖器医療を併用される方に限らず、東洋医学的見地からアプローチすることは、必ず意義があると確信しております。

 

当院は現状に甘んじることなく日々精進し、新しい治療法も取り入れながら、最善の治療方法を提供することをお約束致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腎虚症の改善